MSLのお仕事解説~募集要項を例に〜

こんにちは、Moogleです。

転職の季節ですね(適当)。
私はちょうど1年前は絶賛転職活動中でございました。前職に完全に希望が見いだせなくなって、メディカルも面白そうだなぁと思って活動していました。ただ希望の疾患領域は希少疾患だけでした。エージェントが皮膚やら免疫、癌と色々持ってきてくれましたが全て門前払い。

MSLの「募集要項」を拝見しながら、またカジュアル面談や面接を通して、メディカルアフェアーズやMSLはこんな仕事かな?とか想像してました。時が経つのは早く、私はなんだかんだで1年近く働いていることになり、メディカルアフェアーズ特にMSLが何をしているのか(自社例ですが)よく分かり始めました。

みなさんがよく目にするMSL募集要項を例として、お仕事の内容について具体的な(地味な)お仕事の内容を紹介したいと思います。あくまで私の経験ベースの記事ですが、転職活動のご参考になれば幸いです。

特に現在、研究開発を担当されている方に読んでいただきたいです。
研究→メディカルアフェアーズの転職者が多いので、転職後にこれは聞いていたのと違う!とならないように・・・という願いも込めています。

募集要項例

【募集背景】 
・xxx疾患領域は重点領域であり、xxx領域のMSLを拡充するため 
【仕事内容】 
・メディカル・プランの実行 
・KOLエンゲージメント 
・KOL/主治医などのサイエンスベースの情報交換・ディスカッション 
・アンメットメディカルニーズ収集  
・アドバイサリーボードの実施・サポート
・国内外学会等における情報収集

メディカルプランの実行

そもそもメディカルプランって何でしょうか?

製薬企業の募集要項は一般的に知られてない業界用語や、自社でしか通じない略語が書かれていて本当に不親切だなとよく思います(そしてエージェントも理解してないケースもあるという😵)。

メディカルアフェアーズの主な職務としては、プロモーション部門とは距離をおき”公平な”視点で、HCP(医師、薬剤師、看護師等)と議論し、アンメットメディカルニーズの収集、エビデンス構築の実施・サポートなどを通じて患者さんの医療の質向上に貢献することになります。

どのようなアンメットメディカルニーズを収集するか、どのように新しいエビデンス構築、疾患啓発をを行うか、などなど実は具体的に年間のプラン ”メディカルプラン” に落とし込まれています。わかり易い具体例ですと、「疾患啓発のためにランチョンセミナーをxxx学会で行う」みたいなイメージです。このプランを実施するための各種アクションを行うのが「メディカルプランの実行」になります。

「ランチョンセミナーを実施」と一言ですが、そのためには演者の選定、話す内容の議論、学会へ申し込み、運営会社との折衝などなど意外にあのランチョン1つにも苦労は一杯詰まっているのです(と裏方になって分かりました)。MSLとしては、演者の先生との議論、スライドについてディスカッション、更に契約書を持って行ったり、等々がお仕事内容になります。

これからは裏側の人々の労をねぎらいながらチケットゲットに並びましょう😋

他にもメディカルプランとしては、アドバイザリーボードの実施(後述)などもございます。会社によってレベル感は変わると思いますが、メディカルプランは具体的なアクションに落とし込まれていることも多いかと思います。

KOLエンゲージメント

これを分かりやすく説明するのは難しく、私も十分理解している自信はないですが、ランチョンの流れを例に話すと、演者候補になる先生に定期的にコンタクトして情報提供、ディスカッションしながら、「良い関係」を築くことです(いつでも演者をお願いできるような)。

MRご経験者が得意なところで、R&D出身者・研究職出身の方は一番腐心するところです。
「これまで共同研究などで色んなMDとコミュニケーション取ってたから大丈夫!」と慢心していると痛い目に遭います。今となっては良い経験となりましたが私は遭いました(笑)

この部分は一朝一夕で身につかないですし、入社されたらベテランのMSLさん、またはMRさんに同行するのが良いと思います。MRさん同行は会社によって許されているかどうかはチェックが必要ですが、挨拶や世間話以外、一言も話さなければ良いのではと個人的に思います。あと、マーケや営業所主催の講演会に参加して勉強しつつ、社員さん(MRさん、マーケの方々)の動きをチェックすることです。

私はMRさんの域には全く達していませんし、あの心配り・身のこなしのレベルまで辿り着く自信は一切ありません。ただ、対人コミュニケーションの参考にはなるので、(特に研究出身の人には)社会人の経験値を積む上でも学んで損はないと思います。

身なりも気にすることになります。ジーパンTシャツで通っていた時代とは完全に決別となります。第一印象はやはり大事のようで、ヨレヨレの革靴とスーツだと・・・。私も入社後、ビジネスマナー研修に行かされ、社会人1年目の方々と電話応対の仕方などを学んだ良い思い出です。

KOL/主治医などのサイエンスベースの情報交換・ディスカッション

メインのお仕事で、アンメットメディカルニーズの収集もこちらに含まれます。これは簡単なようで難しいのです。

よく分かっていないエージェントなどから「新しい論文を持っていけばいいんだよ」なんていう話を聞きますが、ある面では正しくもあり大嘘でもあります。自分が色々と忙しいときを考えてみると、本当に欲しい情報をピンポイントで紹介してくれると良いですが、すぐには何も活かせない話を持ってこられても困りますよね。

この論文新しくて面白いんですよ!って押し売りされても初見の論文で議論できることなんて、ほとんど限られています。先生によっては歓迎してくれますしディスカッションにはなりますが、私の経験ではかなり限られたシチュエーションです。

なので、基本的には何らかの目的をもった情報交換になります。

例えば、
1:疾患啓発でランチョンをしたい
2:ある背景因子(e.g. 高血圧)をもつ方で疾患が確認される論文があった
3:論文の内容についてディスカッション
4:循環器系の学会のランチョンで疾患啓発効果があるか意見賜る(←主目的)

ですので、私の活動の場合、基本的に最新の論文ばかりではありません。あえて5年前などの論文をネタとして持ってディスカッションに臨むこともあります。少し昔の論文ですと、医師や研究者の方々もどこかで話を聞いていたりするので独自の見解なども伺えて話が弾むこともあります。

アドバイサリーボードの実施・サポート

日々の医師の方々との面談以外にも、アドバイザリーボードを開催し、複数人を集めてご意見を頂いたりすることがあります。たとえば、先の疾患啓発の例でも、同じ内容を複数人のKOLを集めて議論をすると、異なる結論に至ったりすることもあるので面白いところです。

アドバイザリーボードは議題がない限りは無理に実施するものではないのですが、だいたいの領域で最低でも1年に1回ほど実施し、その運営にMSLが関わることも多いと思います。実施の如何については各疾患の担当マネージャー(疾患マネージャー、サイエンティフィックアドバイザーなど各社様々言い方あり。ラインマネージャー(上司)ではない)が思案し決定されます。実施にあたり、MSLが取得してきた情報がベースになることも勿論多いです

アドバイザリーボードのサポートについては、地味に大変なことも多いです。たとえば参加者の先生方の予定調整です。「調整さん」のリンクを投げることが出来たら本当に楽なんですが、なかなか今の日本の本業界では難しいところです。訪問して、アドバイザリーボードの目的や参加可否についてご相談して日程調整に入ります。このあたりも、もう少しするとウェブ上で全て行うようになるのかもしれませんね。あとは、実施にあたり各先生と会社間で契約を結ぶことになりますし、施設によっては派遣依頼状などの提出も必要ですので、そのような事務処理を対応します。

「アドバイザリーボードミーティングの実施・サポート」と書いてあると、なんだか格好良いですが、地味に大変なお仕事が主体です。会社によっては、このようなイベントについてはイベント開催担当部署があったりするという噂も聞きますので、そういう会社だと楽ちんでイイデスネ。

学会への参加

会社によりますが、基本的に自身の担当疾患・薬剤が関係しそうであれば、だいたい自由に参加できます。そこで、予想外の話を聞いたりして、あとで突撃する・訪問する、といったことも発生します。国内学会であれば、おおよそ自由に参加しやすいです。ただ業務に関係しそうにない学会(昔の自身の専門分野など)は難しいと思います。

海外学会については、1年に1回くらいはいえば行かせてくれる印象はあります。ただ、会社の財務状況なども効いてくるので、会社によって対応はマチマチだと思います。

まとめ

MSLの一般的な募集要項の職務内容に沿いながら、ざっと具体的なお仕事について記載いたしました。MSL活動内容は会社間で少しずつ変わりますので、あくまで一例として見ていただければと思います。

MSLは響きや職務内容は格好いい感じですが、地味で泥臭いお仕事も多いですよね😬。転職活動ではなかなか泥臭いところはエージェントも採用側も垣間見せてくれないですし、実際の仕事内容を知る機会も少ないと思いますので、本記事でご参考になるところがあれば幸いです。