製薬業界で学位(博士)は必要なの?

こんにちは、日々の仕事に疲れて平日は魂が抜けているMoogleです。

「企業で学位は必要なのか」シリーズ第2弾です。研究に携わる方に向けた記事になりますが、一部、製薬業界全体に…通じる?かもしれません。

製薬業界(製薬企業)で学位は必要なのか」をテーマに最近考えたことを書いていきます。

博士と就職のネタはTwitter上でも尽きないですね。根本的な不安は今も昔も同じに感じますし、今でもアカデミアの友人から相談を受けたりします。

  • 博士課程に進むと就職できないんじゃない?
  • 就職するのに博士は必要なのかな?
  • 修士で就職している先輩も多いし、早く社会に出たほうが良いのかな?
  • などなど…

自分なりの回答を得るためには会社人としての長期的なキャリア構築の視点で物事を見ることも大事なのですが、大学院の学生さんや、社会に出て直ぐの方にそれを求めるのは酷なのかもしれないなぁ🤔と思いました。

偉そうに書いてますが、私はやっと最近長期的なプランが朧気に出来てきたくらいです、、、本当に偉そうですみません。。。

少しでも現状を理解いただいて、自分の今後の進む道(キャリア構築)を考えるときの参考にして頂けたら、と思いまして、製薬業界でのキャリア構築と学位の必要性についてごく簡単にですが本記事を書くことにしました。少しでもどなたかの思考のお役に立てれば幸いです。

本記事も完全に私見ですので予めご承知おきくださいませ。

製薬企業に博士は必要なのか?

そもそも、この問いに答えるのは本当に難しいなぁと感じます。なぜ難しいのかと考えるうちに、「キャリアパスに依るからかな?」と考え、本記事の作成に至ったわけです。

製薬企業のキャリアパス

製薬業界内でのキャリアパスは、それだけで何十ページも書けるような大きなテーマです。本当にキャリアパスはいろいろで十人十色。逆に敷かれた道を走りたい人には向いてない業界です

大学・大学院を卒業された新入社員は平社員、平研究員として入社してきて、、、その後どうなるのでしょう?

少し前まで、またはこれまでは、そのまま平社員として全うすることも普通のキャリアパスでした。ですので、部署などでご定年される方とまだまだ現場で席を並べていた現役社員さんも多いのではないでしょうか。

ただ、これは会社に余裕があったから維持できたことだと強く感じています。最近は、研究関係だと難易度にかかわらずルーチンワークは外注出来る時代になりました。「匠の味」を出し続けてた内製ルーチンワークは実はお金凄くかかることに会社は気づいています。言い方が極端ですが、雇用を守るためにそのような仕事をワザと社内に発生させていたわけです。←これギクッとされた方は意外に多いんではないかなと勝手に思ってます

ですが、昨今、製薬企業を見渡してみるとどうでしょうか。どこも人員削減、予算削減を掲げている空気が漂っています😧

中の人達はどう考えるのでしょう?

ルーチンの仕事がどんどん外に出されていくと、中の社員達は幾つかの次段階を目指します。気づかずにぼぉっとしている方も居るのですが、それはそれで平和というか…😬

  1. マネージャーになって部下を持つ、新しい仕事を作る(要は出世する)
  2. 代替が効かない専門性の高いキャリアへ挑戦(社内外)
  3. 自分の技術・知識が生きる外の会社へ転職
  4. 何となく会社が嫌になって転職
  5. 自分の技術が生きるポジションを社内で模索する

他にもあると思いますが、思いついた5つほど書いてみました。

私の1回目の転職は「③」、2回目の転職は「②、③、④」です。転職時点の私は学位を持っていたなかったので、キャリアを考えるときに「学位」の壁は大きく立ちはだかりました。

そこで、そのときに考えていた上記の選択肢(キャリア選択)と博士号の関係について、3つほど抜き取って書いてみます。

出世する

皆さんの会社は、Job description(JD)は各ポジションにあるでしょうか?最近は、仕事の責任範囲を明文化し、組織内の人事交流や外部からの人材獲得を行いやすくするために作成されている会社が多いはずです。薬理第x研究室の主席研究員ですって言われるだけで口頭で仕事内容が語り継がれるなんて最悪ですから。JDはそのポジションに必要な資質が書かれていますが、製薬理系職(主に研究、開発、メディカル)の課長職以上ですと、

一番甘い会社の要件で「必須:理系修士号以上、好ましい:理系博士号」。

一番辛い会社の要件で「必須:医療系資格+理系博士号」。

お分かりでしょうか。理系職種において出世するためには博士号は必須アイテムです。これは私は恥ずかしながら入社時点では知りませんでした…😑。最近の就活生は色々調査されていますし、Twitterやブログから情報を得て認識されているかもしれませんね。本当に良い時代・・・。

ちなみに、私が見たことある限りでは、外資メディカルアフェアーズの部長はPhDおよびMD(医師)、少し緩くてPhDおよび薬剤師が最低要件でした。これからはMDの方の社会進出も増えるんじゃないかなぁと期待しています。

社内での生き残り模索

書き方がネガティブなのですが、

「会社の雰囲気もヤバいし、自分はどうなるんだろう、ヤバい(語彙力)」

社外にも目は向くものの、こういう「生き残るための心境」にもなってしまいます。
– 自分はどの部署で活きるのだろう?
– あの人について行ったらいいのかな?
– この部署はヤバイな、一番最初に無くなりそうだ。
– 新しい仕事作ってしまって第一人者になればいいかも!

恥ずかしながら全て自分が思ったことです😶(苦笑)。でも、こんなときにでも、マネージャーへのチャレンジとか、社内別分野へのチャレンジなど考えると博士号があると選択肢が増えますよね。このとき自分が持っていたら全然判断が違っただろうなぁと心底思います。

キャリアチェンジ・転職

チェンジ先によりますが、まず、その候補のポジションの上司ポジションの要件を調べたり伺ってみるのが良いです。上司のポジションが狙えるのかどうか。博士号があるから何でも有利というわけではないですし、無くても出世/昇進チャレンジは出来るのですが、無いよりもあったほうが良いという典型例かと思います。外資だとJD要件を覆すのも難しいことが多いです(要件を満たす候補は他に居ますから…)。

製薬企業と博士号。

製薬企業で活躍するにあたって博士号は必須ではありません。修士や学士卒の方々でご活躍されている諸先輩方も多く居られます。

ただ、現在は圧倒的に時代や取り巻く環境が変わってきています。

上に色々とキャリアパスの一例をざっくり書きましたが、

要は、博士号を持っていると圧倒的にキャリアの選択肢が増えます

持っているから安心というわけではなく、チャレンジできる選択肢が増えることはとても良いことだと私は思います。

社会人の博士号の取り方

博士号をお持ちでない研究者で、将来も製薬業界・ライフサイエンス業界で様々なキャリアの可能性を考えたい方は、是非、博士号を取ることを見据えて日々の研究業務に携わるのが良いと思います。

社内限定の研究報告書は幾ら書いても、博士号は取れないですし、そもそも外の人には評価されません。ですので、是非、論文発表を念頭に日々をお過ごしになると良いかと。

ご参考までに私のブログリンク貼り付けておきます。

「企業で論文を書くということ。」
論文を書く心構え・コツなど記事にしてます。

「民間企業で学位(博士)は必要なの?」
博士号の取り方を簡単にですが紹介しています。

まとめ

今回は主に研究者/研究員向けに「製薬業界でのキャリアパスと博士号」というザックリ視点で記事を書きました。製薬業界に限定して書いてしまっていますが、別業界に機会を求めるのも良いキャリアパスだと思います。専門性が増えますからね。

日本の製薬業界に居ると博士号は必須ではないようにも思えてしまいます。ただ、「キャリアの選択肢」を充実させるためには博士号を持っていると良いな、というのが私の結論です。

これまでは研究員や一般社員、係長で会社生活を終えられる良い時代でした。

もう皆さんお気づきかと思うのですが、そういう会社自体が本当に少なくなってきているような気がします。一部には素晴らしい業績を上げ、社員も叩き上げで一生涯過ごされる会社もあると聞きますが、製薬業界では…あったら教えて欲しいくらいです。

ただ、疾患を治療する「薬」が世の中からなくなるなんてことはありません。知恵を絞って、患者さんに薬・治療法を届けることに執着する会社は、社員も幸せだろうなと思いますし、そのように製薬業界・会社を変えていくのも私達の世代の責任と感じる次第です(自省)。

 

最後に、製薬企業の研究者の方へ。

「定年まで平の研究員はありえません」

そういう覚悟で、日々の研究の合間にほんの少しでも自分のキャリアを真面目に見つめ直すときがあるといいと切に思います。変化は突然やってきます