製薬企業の研究職に入社する人たちはどんな人?

こんにちは、Moogleです。

製薬企業で薬を作ること・創薬研究に興味を持っていただける学生さんと思われる方からPeingにて質問を受けることがあります。皆さん、色々と考えられてるなぁと思いつつ、自分の過去も思い返したりもします。

大学院で研究(特にライフサイエンス)をされており民間企業に就職されたい方は、薬を作りたくて製薬企業の研究職を狙う方も多いかとも想像します。

製薬企業の研究職につくためにはどうやって就活をするのか?OB・OG訪問は?ESの書き方は?などなどは他のブロガーさんの秀逸な記事をご参考いただければと思います!

私はOB訪問もしませんでしたしESも適当ですし、企業研究なんても大してしてなかったので何も書けません・・・。

https://www.cryptocurrency-bioresearch.com/category/research-article/science-employment

(↑理系就活カテゴリー)

 

これまでの経験から「研究職に来られる方はどういう方・背景の人が居られるのか」という視点で記事を書いてみたいと思います。就活に対する考え方も各項に少しだけ散らせました。これからの大学院やその後のキャリアパスの考えの一助になれば幸いです。

想像に容易い他社からの中途採用については割愛致します。

研究所における「職種」

まずは簡単に研究所内の「職種」をご紹介します。研究職といっても「身分」として単一の職種ではないことが多いです。多くの製薬企業の研究職では実際には複数のラダーが存在しています。給与体系なども異なるのですが、1つは学士や修士の方が入る「技術職」のラダー、もう1つは修士や博士の方が入る「専門職・一般職」のラダーです。前者は、定年まで現場でご活躍することを期待している「現場のプロ」を目指す職種になります。後者は、もちろん定年まで現場で研究されることもありますが、マネージャーや本社勤務など研究を知って色々なフィールドで活躍を期待される職種になります。一部専門性を極めすぎると社内で出世できないではないか!ということも考えられるので、会社によっては「フェロー」などの称号を与えることもあるようです。会社によって呼び名は色々だと思いますが、研究職といえども単一ではないということです。

ずっと平社員っていうのはなかなか扱いが色々とあるらしく、組織としても出世してもらわないと困るので、色々と呼び名をつけた上位職を作ったりしますよね。この人がこの職位?みたいな、そういう人たちが・・・(以下省略

 

次にどういう人たちが入社していくのか書いていきます。

新規卒業者(新卒)

学士(4年制大学卒業)

学士の方でも入ることが出来ます。各社の現状は分かりませんが、私の時代は、学士の方は「技術職」として応募することが出来ました。実際に多くの大学卒業すぐ入社された研究員の方とお仕事したことあります。現場のプロとして育てられますので、基本的には請け負い仕事が多くなりますが、頭を使ってこなさないといけない難しい内容も多い印象です。入社後にラダーの変更が可能であったり、国内留学にて修士号や博士号を取る機会もあります。今の研究所のマネージャー層にも技術職から昇りつめた方も居られるのではないでしょうか。ただ、いま各製薬企業がどの程度門戸を開けているかは分かりませんので、現状のご確認は必要かと思います。

修士(理系大学院博士前期課程修了)

これまで、研究職の新規採用で明らかに多かった人種です。私の知人・同期にも多いわけですが、出身大学に目を向けると、いわゆる旧帝大卒が多いわけでは決してありません。確かに、旧帝大の方は居られますが、地方国立大、私立大などから来られた方々も居ました。結局、学歴で決まるわけではありません。しかしながら、採用側からすると多少なりとも学歴フィルターが入ってしまうこともあるようで、旧帝大の方は多少優位かもしれません。ただ、それに甘んじていると面接で確実に落ちますので、創薬研究に対する熱意とこれまでの経験をしっかり語れるようにされると良いかと思います。

また、修士での就職ですと、研究職は製薬にこだわらなくても様々な企業へ応募できる機会が多いと思います。製薬企業を受けられている方は、製薬に絞られていることが多いと思いますが、最近はライフサイエンス系を伸ばしてきている会社も増えてきました。そのような会社で間接的に創薬研究に携わる選択肢も良いかもしれませんね。広い視野で色々な企業を見られると良いかもしれません。

博士(理系大学院博士後期課程修了)

今後は、どの製薬企業も研究職は博士号を持っている方を重点的に採用するようになると思います。海外の研究者や会社の方ともコミュニケーションを取ることが多くなるので、資格として持っていた方が良いというのも理由の一つと思います。また、どの会社も「人を育てる」余裕がなくなってきているのは事実ですので「即戦力」を求めているという背景もあるかもしれません。

即戦力とはつまり
「研究テーマや課題を伝えれば1人で研究計画を立てて勝手に出来て、正確に結果を解釈しレポートして次のアクションを提案できる」
という人を求めているということです。もちろん、会社人としての振る舞いや仕事の進め方はサポートがあると思いますが、「研究」に対してはサポートがそれほど必要ではないという認識で博士課程まで終えられた研究者を採用しているのだと思います。

博士課程まで真面目に研究して論文書いてきた方は全く問題ないかと思いますが、周りからは少なくともそのように見られるので多少プレッシャーがあるかもしれません。ですので、自信をもてるように、博士課程を大切に過ごされるのが大切だと思いました。

ちなみに蛇足ですが、あるライフサイエンス系もしている大手は会社の方針で「新卒で博士を取らない」ということもあるようです。昔に問い合わせたことあるんですが、そのような答えで門前払いしてました。今はどうなんでしょうか?よく分からない方針ですね。

ポスドク

博士研究員いわゆるポスドクの方もチャンスはあります。最近は比較的多くなってきていると思います。中途採用のプロセスにて応募できるのです。私も前の職場にも居られました。ですので、博士新卒で逃したら製薬企業に行けない…なんてことはありません!

ただ、ポスドクからの「中途入社」については、下記の点に非常に注意されてください。

正社員雇用

正社員雇用、つまり無期雇用の職種であれば、通常の正社員、新卒と同じ扱いになります。一番みなさんがお求めになる条件だと思います。前の職場には海外も含め色々なところでポスドクをしていた人など色々な同僚が居ました。やはり、母国の日本で比較的安定した職ということで人気なのは理解できますね。

有期雇用

募集要項をよく読むと有期雇用の場合があります。よく正社員への転用も可能ですなど書かれていますが、社則上「可能」なだけで約束は絶対にしてくれないので要注意です。雇用が終わるときの会社の状況によっては契約更新すら出来ないこともあります。面接で口約束されたりするケースもあるようですが、しっかり雇用契約書に書いてもらってください。さらに、研究成果の発表方針についてもよく確認された方がいいケースがあります。研究成果の発表に手間取ったり時間がかかる場合、雇用中に行った研究成果が発表できないことも考えられます。そうなると、成果が分からず空白の「企業での」ポスドクとなってしまい、なかなか次が決まらないなんてことも。

スーパー優秀な知人がこのケースに陥りそうになりストップをかけたのは私です。某大手企業さん、いい人材を取り損ねてごめんなさい😘。社会での経験が少ない方を騙すようなポジションとして私の目に映りますし、こういうポジション出している会社は私は大嫌いです

大学教員・PI

大学教員の人やPIだった方も製薬企業の研究に来られることも実はあったりします。ポスドクの方と同じように中途採用のプロセスで入ってこられますが、基本的には無期雇用の正社員として入られることも多いですし、入ってきてすぐにマネージャーになったりもします。ただ、そんなに多いケースではないと思います。また、実績ある方が有期雇用の場合もありますが、それは所長や非常に上のポジションでの採用です。平民には関係のない話です😇。

大学院での専攻・専門は?

以前にもツイートしましたが、

薬物動態や安全性研究に関しては、薬学研究科、獣医学専攻の方が圧倒的に多い印象です。それは、やはり最低限の知識を持っていて欲しい、即活躍してほしいという会社側の意思の表れなのかとも思います。ただ、彼らが薬学部出身なのかというと別問題。理学部(工学部?)から薬物動態の研究室に進学された方も居られました。一方、薬理や生物系に関しては、専攻は多種多様です。薬理については、医学研究科や薬学研究科において会社の重点領域の研究に従事していると、その分野での採用はされやすい印象があります。生物系については、薬学出身の人も居られますが、農学、工学、理学と様々です。最近ですと、たとえばDDS関係の研究をされていれば、そのような研究グループへの採用に繋がる可能性も十分にあります。ただ、製薬企業の研究所で現時点で何を研究しているか・近い将来どの分野に注力するのか、など絶対に分からないのでガチャの要素も多少なりともあります😓

まとめ

製薬企業の研究職に入るための王道は存在しません。もし薬物動態や毒性学、病理学に興味を持たれていたら可能性は高いかもしれません。ただ、製薬企業の研究職として採用されるのは「運」です。これを言ってしまうと全てが無に帰りますが、運の要素は大きいです。いろいろと対策をすることで勝率は上がりますが、100%確実な方法は残念ながらありません。誠実に日々精進するしかありません。

最近は、現場の研究員のレベルの方が面接の場に面接官として居られるケースもあります。ですので、「この人とは一緒に仕事ができそうか?」という観点でも見られます。昔のようにおじさん達から典型的な質問攻めを受ける面接とは変わってきている印象です。色々な角度から見られるので、見繕っても直ぐにバレてしまいます(この人、なんか嘘ついてる😒みたいに(笑))。

真面目に粛々と日々の研究を楽しみ・実験に打ち込み、誠実な研究者になる。

研究というか科学が好きだな、という人は話していると分かります。何でだろ?と分からないことが好きな人。現場の人もそういうワクワクさせてくれそうな人と働きたいですよね。

そして、他者を(多少なりとも)尊敬する心をしっかり育んでください。大学の研究室だと、勝ち負けの競争という要素もあるかと思います。が、会社に入れば、何人もの人たちとチームを組んで仕事をしていきます。そこで他者を敬う心がなければ、一瞬にしてチームが壊れます。大学では競争や教授のプレッシャーで疲れることもあると思いますし嫌いな人も出てくると思いますが、周りの人の良いところを1つでも良いので挙げる練習をしておくと、会社に入った後良いことありますよ。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!

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