私の転職。~製薬研究者の次のキャリアは?~

こんにちは、Moogleです。

とあるグループで、転職活動に関するお話が上がったので、今回は、

・私がどのように次のキャリアを考えたか?

・私がどうやって転職先を見つけてきたのか?

について、共有してみたいと思います。

「運とタイミングの引き寄せ方」や「転職のススメ😉」についてはまた後日記事にしてみたいと思います。

この記事のTake home message🤔

  1. 製薬企業研究者の次の仕事は色々ある。
  2. 次の職を判断するにあたり自分なりの判断軸を3つほど見つけること。
  3. 学びの場を求め続けることが重要ではないか(と私は思う)。

私の職歴

まずは私の職歴について、ごく簡単に書きますと、

1社目:
大手製薬企業の研究所に配属。
何だかんだと文句言いつつも、所内で分野も定期的に変えつつ、同僚や同期に恵まれ充実した日々を過ごす。まさか会社を辞めることになるとは考えなかったが、「患者さんから頂いたお金の研究成果」「科学としての成果を外に出すのは研究者の務め」と言う先輩の教えに倣って論文執筆はなるべく継続して行なっていた。

しかし、世の中は厳しいわけです。厳しい状況になってきましたので、少し外で自分を試してみるか、と思い転職に至りました。

<転職1回目>

2社目:
母体は化学系メーカーの製薬部門研究所配属。
スーパー内資企業でした。

 どの内資系企業もグローバル化しておりますし、1社目もご多分に漏れず、グローバル化をごりごり進めておりました。働き方なども少しずつ変わっていってました。2社目もグローバル化を謳っておりましたので、問題なく馴染めるだろうと思ってたわけですが、ここが大間違いでございました。「あ、日本の内資企業ってこんなんだったな」という感覚です。たとえば、会議招集時は、会議の主催者が参加者の予定を手帳を持って聞きに回ったりするわけです。その時点で「?」となるわけです。いやいやメールソフトで設定しますよね。と。

そういう会社でしたもので、研究生産性向上なんていう言葉とは大きく離れた状態です。ご想像に容易いですが、承認プロセスがやたらと長いし時間もかかる。

ということで、3社目に移ることにしました。

<転職2回目>

3社目:

現在お世話になっている会社で、外資製薬企業でMSLをしております。半年くらい経ちますが、いろいろと勉強になることも多いですし、一方でこれって本当にMSLの仕事?って思うことも多くなってきており、葛藤する日々ですが、何より勉強になることが多いので総じて充実した日々を過ごしています。

 

製薬企業研究者の次のキャリアは?

以上のように、企業に就職して約10年ですが、これまでに転職を2回しています。

ということで、ラッキーなことに2回も自分のキャリアを見つめなおすチャンスがありました。現在、製薬企業の雇用状況はとてもダイナミックに動いています。Googleで「製薬企業名」をいれると、「リストラ」をリコメンドしてくれるそんな時代です。

ちなみに「リストラ」って嫌な響きですが、事業的に売り上げと利益が出ている状況なら割増退職金が出ますので、会社側からすると「沢山お金あげるから辞めてください」という状況です。もう愛想尽きてきたし辞めてもいいかなぁ、次の就職先も順調に決まるし、ということであれば積極的に取りに行っても良いオプションです。会社都合の退職になりますので割増以外の退職金なども満額貰えるはずです(普通は勤務年数が少ないと低くなる)。

 

どんだけ自分を強く持っていても、外の空気が変わってきて、更には自社の調子がおかしくなってきたぞ?となった時には、「自分も転職を考えた方がいいのかもしれない。」と少しは考えるものです。

社内転職も含めて、製薬企業での研究者の次のキャリアは何があるのでしょうか?Answersなどのサイトにも沢山記事はありそうですが、自分の経験や周りの状況も踏まえて具体的に10個程度書いてみました。皆さんに「転職先の実際のところ」を共有したいと思います。

他社製薬の研究者

一番最初に考えられるオプションだと思います。ただ、本当に求人は少ないし、先方もかなりマッチする人材でないと面接すら進めません。知り合いがいれば、中から働きかけてもらうなども1つの方法。ただ、どの企業も研究所のスリム化を進めているので、これから大量に求人が出てくるとは到底考えられない。今後は、PhDやマネージャー経験、海外出向経験ありなどの少し変わった経歴や研究経歴があり、かつ「コネ」で決まっていくような気もしています。

また、製薬企業の研究所に居たからといっても、隣の芝生はあくまで隣のモノであり、その芝生にはローカルのルールなりカルチャーがあります。行ってみたら・・・と言うことはあるかもしれませんが、幸運を掴み取っての転職だと思うので、腰を落ち着けて研究に邁進することも必要かもしれませんね。

バイオテックの研究者

特に生物系の研究者の方には朗報ですが、バイオテック企業の研究者の求人が非常に増えてきている印象があります。製薬企業も自身のラボをスリム化して、外への投資を進めていますから当然の状況なのかもしれません。しかも、単なる研究員のわりに肩書が立派になり、年収も上がるかもしれません。ただし、企業の不安定性の要素が大きくなりますので、よくご家族とご相談ください。。。あと、誰かからか伺ったのですが、「バイオテック(ベンチャー)は経営してナンボ」ということもあるそうです。

アカデミアの研究者

大学等へお戻りになる方も少数ではありますが、ある程度居られます。私の同期にも戻られた方居ります。こういう方は、企業とアカデミアをどちらも知っておられるので、とても伸びしろの大きいアカデミアの研究者になっていかれるんではないかな。と思ったりします。企業とかの共同研究なども取りやすくなったりするのでしょうか(私の思い込みです)。

他業種のライフサイエンス系研究者

もし後々に製薬業界に戻りたいという意思があるならば、あまりオススメはしません。

もう製薬業界はおなか一杯。でも、ライフサイエンス系で違う分野で研究を続けたい。という強い意志をお持ちの方にはお勧めいたします。

製薬業界への復帰へ向けた転職はそれほど簡単ではありません。書類上同じ候補者が居た場合、同じ業界からの候補者を進めがちです。私も2社目は化学系が母体でしたので3社目を探すのに実は大変苦労しました。

 研究者以外の職種 メディカルアフェアーズ

メディカル系は研究職の方にとっては本当に移りやすい(少なくとも今は)職種ですし、比較的、ご自身も受け入れやすい職種になると思います。このあたりは、私の他の記事もご参考いただくとして、注意点としては、ご自身でデータを作って発表するという自身の「研究活動」は出来ません。先生方の研究に関して様々な角度からのサポートなどが仕事の一つになります。また、何か研究の種を見つけて、先生方に実施していただくということになりますので、ご自身で手を動かしてデータを出したい、という方は受け入れづらいお仕事になるかと思います。

ただ、新しい研究課題を見つけてそれにアドレスしていくという科学的思考はベースにありますので、研究職の方にとってつまらないことはないお仕事だと思います。

研究者以外の職種 ベンチャーキャピタルあるいは投資部門

こちらも比較的考えやすいキャリアパスだと思います。バイオテックの価値を測るには、研究者としての勘や経験が結構生きてくるかもしれません。また研究人生が長いと、クリティカルな欠点を見抜いたり、明らかに優れている点を誰よりも早く気付くことも出来るかと思います。

実際に、製薬企業内の投資部門には研究所出身の方居られるんではないでしょうか?これからもバイオテックはどんどん出来てくると思うので、製薬企業を知っている研究出身の方は重宝されるかもしれませんね。

研究者以外の職種 CROなどのラボ

研究所で研究者という肩書でお仕事されている方は沢山いますが、実際は実験の玄人達も沢山おられます。自身の強みを理解したうえで、CROなどのラボで活躍される例もあると思います。待遇面で踏み切りづらいのかもしれませんが、会社の所在地などで会社の選択も出来るかもしれないので、プライベートも含めて総合的に判断されるとありかもしれませんね。

 研究者以外の職種 本社スタッフ

社内転職であればありだと思います。人事や、品質保証部などあり得るかと思います。社外への転職で、研究職→違う会社の本社スタッフはほぼあり得ないですので、社内転職が基本的な考え方です。ビジネスの勉強をされたいという意識があれば尚よさそうです。ただ、研究開発のフィールドに戻れるかどうかは不透明です。MBA取って製薬企業のビジネススキームを根本から変えてやるぜ!みたいな意気込みがあれば凄く良いキャリアパスだと思います。

研究者以外の職種 コンサル

研究職出身の人に求人が来る傾向があるのはコンサルです。が、個人的にはあまりお勧めしません。企業勤めの皆さんは薄々気づいていると思います、良くも悪くもコンサルに色々と踊らされていることに(笑)。私は残念ながら悪い印象しかない…ので、私の偏った話であることをご了承ください。

研究者は基本的にエビデンスなり過去からのデータの上に新しい仮説を検証するスタンスだと思うのですが、コンサルの場合は仮説は実地で徹底的に検証されないんですよね。確かに、完璧に結果保証付きでコンサルします!なんてしてたら、今頃、日本からコンサルは消えてなくなってますね😎

あまり多くは書かないですが、コンサルと研究はプロセスとしては似てるところもありつつも、携わるヒトの性質も違うような気がします。人間関係などでも苦しみそうです。

研究者以外の職種 農業

悪くない選択肢だと思います。最近は、データ管理して検証しながら生産性も上げていくような取り組みもされているので、科学的な論理的思考は益々必要なのではないかとも思います。

私はどうやって選んだか

上に書いた職種、全員、私の周りに居られる実例です😏

誰が一番幸せそうか。それは分からないですが、みなさん、いろいろと考えてお仕事されてます。一度辞めることを経験すると、定期的に自分を見つめる癖が無意識についているような気がします。これからは、転職が当たり前の世の中になると良いんじゃないかなと思います。

ただ、重要な意思決定の瞬間なので、後々、あの時辞めなかった方がよかったかな。とか、あの会社選んでたらよかったのかな。とかも頭を少しよぎりますが、私はこれまで下記のような理由で転職しました。後悔は一切ありません。

1回目:折角辞めるならば企業研究者として、他社で通用するかどうか腕試ししてみたい

2回目:自分の知識・経験で圧倒的に不足している臨床寄りの仕事を経験したい

 

転職は大きな転機になるのは間違いありません。考えないといけないことは沢山あるのですが、私の場合は、

  1. 何に自分は関わりたいのか
  2. 自分の人生で何を充実させたいのか
  3. なぜ辞めたいのか

この3点は考えるようにしています。

(↓2回目の転職時に考えた私の例)

何に自分は関わりたいか?

画期的な医薬品を患者さんに届けること。
特に臨床寄りの経験を積みたい。

自分の人生で何を充実させたいのか? 新しいことを学ぶことができ自分を成長させる場。
なぜ辞めたいのか? 内資の研究効率化は末端社員では成し遂げなれず時間を浪費する恐れがある。

 

この中でも、私は今のところ、何に自分は関わりたいのか(何を学びたいのか)を一番重要視するようにしています。

2回目の転職の時、大好きな研究の分野で貢献できるのが一番良いのですが、医薬品を創出していく過程において、自分自身が知らないことも多いなということを今更ながら思ったので、臨床側の学びが多い(と思った)MSLの仕事を選択しました。

転職は人生を決めてしまうことになりますが、別に失敗したからといって急死するわけでもないですし、そもそも失敗ならば何がダメだったのか分かり、次の成功につながります。これからの時代、ダイナミックに動いて成長する人生を送ることも面白いかもしれませんね。

Take home message

  1. 製薬企業研究者の次の仕事は色々ある。
  2. 次の職を判断するにあたり自分なりの判断軸を見つけること。
  3. 学びの場を求め続けることが重要ではないか(と私は思う)。

 

(参考)

下記の本、久々に面白いなと思いました。

「転職の思考法」

誠に勝手ながら、尊敬するノブさんのツイートで締めくくりたいと思います。ご参考ください。